青色LED訴訟、発明対価200億円支払い命令

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040130-00000105-yom-soci


この件については色々考えた。この件についての経緯は


判決は特許法第35条2項
http://www.geocities.jp/gijutsurikkoku/hosoku/hou35.html#1
の以下の条文


従業者等は、契約、勤務規則その他の定により、職務発明について使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ、又は使用者等のため専用実施権を設定したときは、相当の対価の支払を受ける権利を有する。
の「相当の対価の支払を受ける権利を有する。」を根拠に、青色発光ダイオードの市場を1200億とし、中村氏の権利は半分以上600億以上あるとし、200億全額の支払いを日亜化学に命じた。


私は技術者なので、私の今後の人生の利益のためにもこの判決を支持する(特許を取るほどの技術者ではないけども)。


しかし、この判決にもメリット・デメリットが存在する。メリットとしては、技術立国日本を目指す上で技術者の地位や収入が増える。あるいは増えたと国民に認識されるのは良いことだというものがあると思う。一方で、企業の立場で考えれば、給料を払った上で特許の権利も主張されるのは二重取りだという点、科学技術に対する投資が同様の訴訟を起こされるリスクを考えて減るのではないかという点などが考えられる。


今回の判決は能力のある人間はより多い収入を得ることにつながると思う。企業も良い人材は離したくない。ただ、200億は尋常ではない。では、素晴らしい発明をした人間には数億円程度のインセンティブを与えるという方向性になるだろう。事実、発明等の会社に与えた利益に対する報奨金を数十万円から数億円まで引き上げた会社が多々あるらしい。一方で仕事のできない人間は首を切られるか収入ダウンは免れない。これは経済にとって良い兆候なのだろうか?いかんせん貧富の差が能力の差によって激しくなることが経済全体にとって是か非かという議論をするに足りる知識がないので何も言えない。だが、私にとっては能力がある人がより多い収入を得ることは望ましい社会であると断言できる。私が働いている業界は IT 業界で、この業界では人月と言われる人一人頭いくらという能力をほとんど無視したコスト体系になっている。人によって生産性の差は数百倍まであるというのに、等しく同じ金額が会社に入る。これはあまり望ましい状態ではないと思う。


あまりまとまらない愚論を展開してきたが、結論としてはこのような結論が出たのは時代の流れであり、企業はそれに対応する努力をしなければ生き残れないということだと思う。


追記:今は酔っ払ってるし、個人的感情として技術者の立場(中村氏)の立場からしかものを考えるのが難しい。時間があればこの問題はもっと考えてみたい。はてな上でも色々議論があるみたいだし、他の人の意見もよくよく見て考えたら違う結論が出るかもしれない。