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天才・松浦亜弥の強さは「毎回デビュー作」
がなり:そうだ、僕ね、松浦亜弥さんを見た時、「あー、この子はAV向きだなあ」って思ったんですよ。「おいおい、なんでこっちに来なかったんだ」と(笑)
つんく♂:(笑)松浦は、モーニング娘。『Memory青春の光』のシングルの中に、「モーニング娘。平家みちよ妹分大募集」の応募ハガキを入れてたんですが、それに応募してきた子なんです。まだ『LOVEマシーン』の前なんで、それに応募してきたというのは変わってるといえば変わってるんですけど。
彼女に決定した後、歌わせてみたらこれがうまいんです。さっそくハードな特訓に入って、「この子にはリズムの話ができるな」と思いました。上京して「はい、今日は見学ね」なんて連れてこられて、いきなり「ブース入って」っていわれて、3曲くらい歌わされる。そんなの異例ですよ。
オフラインとか編集とか専門的なことって、上京していきなりの子には本来見せないんですけど、「分かるか、この軸に対して、お前こんだけ速いねん。突っ込みやねん。50ミリこの突っ込みなくさないと、色気のある歌、歌われへんぞ」って。多分、意味も分かってないと思うんですけど(笑)。そういう専門的なことをいいたくなるくらい、松浦は最初からほぼ完璧でした。
こういう子を見ると、世間は天才というんだろうなって思いました。モーニング娘。見て、だれも天才とはいいませにょ。みんな自分がやれそうな気がするから。松浦みたいに、過去に例を見たことがない個性を持ってる子の場合、世間は天才といううんだなと。それ以外は、「○○みたい」とか、どちらかというと蔑んで見たがる。シャ乱Qが出始めたときも、「米米CLUBみたい」:」とか「GS(グループサウンズ)のオックス意識してるやろ」とか。僕、オックスって全然知らなかったんですよ(笑)。モーニング娘。のときは「おニャン子みたい」とか。
結局、置き換えられるものがあったら置き換えて、自分の中で安心感を持ちたいんですよ、みんな。自分が分かってる中にいるっていう。それが、松浦みたいにそれを超えた人間を見たときに、世間は彼女をボロカスにけなすか、天才と呼ぶかどっちかなんです。で、結果が出始めるとみんな天才といい始める。
がなり:あのね、セクシーの使い方がすごくうまいんです。
つんく♂:あははははは!(ツボはまり笑い)
がなり:ここまではプラスのセクシーで、ここからはマイナスのセクシーだって知ってるんだろうなあ。ここまで見せる分には品を落とさずに男を挑発できるみたいな。もちろんプロデューサーに指導受けてるんでしょうけど、それを使いこなせるっていうのは本人の力量だから。それがすごい分かってるなというのを感じたなあ。
ただ、それも含めて今の話を聞いて、すごく優等生で嫌だなあと思ったんですよね(笑)。活発に意見いって、倫理にもうるさくて、リレーにも選ばれる。なんでもできちゃうような、いきなり完成形なんですよ。僕たちがこれまで見てきたアイドルって、何か欠けてるところがあって、だんだんと成長していくものが感じられたんですよ。AV女優でも、「芋くさかったよね、1年前は」って子が洗練されていくみたいな。
そういう、成長していく過程を見るのって、ファンはすごく好きなんですよ。でも、彼女はいきなりプロとして完成された形でデビューして、何もけなす部分がない。ないから、逆にそれをけなしたいなってのがあります。(笑)
つんく♂:彼女は「毎回デビュー作」なんですよ。だからAV向きっていわれたのかと思ったんですけど。AVって鮮度が問われるじゃないですか。ファンはデビュー作とか処女作ってのに弱くて、そういう初々しさに興味を持つでしょ。歌手も同じで、どんどん鮮度が落ちていくから、裏方はどんどんハードになっていきます。でも松浦はそんなことしなくても、自分で鮮度を保ってるんです。それが保てる子なんですよ。
でもね、歌はものすごくうまかったんだけど、笑えない、踊れない、もうびっくりするぐらいできなかった。もちろん完成はあるんで、すぐできるようになるなってのは分かってたんですけど。
彼女のリズム感ってドラマーに多いタイプで、打ち込みの機械じゃない、彼女独自のリズム感なんです。リンゴ・スターにしろ、森高千里さんにしろ、うち(シャ乱Q)のまことにしろ、決してうまくないんだけど、そいつが叩かないとそのリズム感がでないみたいな。松浦のダンスもそれと近いものがあって、ダンサーのいううとおり完璧に踊ってるのに、松浦のダンスにしかならない。彼女にしかない魅力なんです。
3年かかってますね、今の松浦になるまで。僕の中では、彼女みたいな天才肌はこれまで1人もいません。

ついつい気合入れて書いちゃいました。


寺田光男絶賛だな。


最後のほうじゃ、あややリンゴ・スターと並べてるし(苦笑)


ってか打つの疲れた。。。