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つんく♂:シャッフルの良さで言うと、モーニング娘。で4番に立てない子でも、違うユニットで4番に立てる子がいるんです。たとえば当時の石川(梨華)なんかがいい例で、モーニング娘。にいるときは、自分にも自信がなくて、先輩もいて、どうしようかなって迷ってたところに、「カントリー娘。石川梨華(モーニング娘。)」っていうユニットを作ったとき、初めて真ん中に立たせたんです。そこであの子、輝き出したんですよ。その後『ザ☆ピ〜ス!』で、今度はモーニング娘。の中で初めて真ん中に立たせることにしたんですけど、毎日ブルブル震えてるメールを僕んとこに送ってくるんですよ。「私、大丈夫ですか?」って。で、『ザ☆ピ〜ス!』を自分が真ん中で歌い出すと、そういうメールが来なくなった。自信がついたんですよ。結果、4番も任せられるようになりました。
ミニモニ。もそうです。矢口(真里)はずーっと真ん中立たせてなかったんで、ミニモニ。作ってリーダーにして、辻(希美)、加護(亜衣)っていう、あのときのオーディションでいうと「なんでつんく♂は、こんなの採ったんだ」(笑)といわれた2人の魅力を、存分に引き出してあげようという。そもそもこのユニットって、モーニング娘。の中だけではきっとつまらないからっていうのが始まりだったんです。ミニモニ。は、ライブとテレビ番組の中だけのキャラクターだったんですけど、それがそのまま曲になって羽ばたいていきましたね。
がなり:うーん、人材活用術だよなあ。例えば、外に出て行って売れなくて帰ってきた出戻り組をバラして、3人くらいにしてまた違うユニット作ったりね(笑)。多分そういうのもありでしょ。自然体っていうんですかね。基本的な人事部の考え方ですよね(笑)。

カントリー娘。立場って・・・

130- 後藤真希


がなり:(略)これって、モーニング娘。に置き換えると、ほかの人が「なんでこの子を採るんだ?」っていう子を、あえて採用するということに通じると思うんです。強引かな?
つんく♂:(笑)いや同じです。僕じゃなくても売れる歌手だったら、別に僕がプロデュースする必要はないし。松浦(亜弥)とかも多分、そこそこのレコード会社でほこのディレクターと組んでても、ある程度いってたかもしれないけど、僕は、jハロプロでもまれる中にいたから松浦は天才に見えたんだ、と思ってるんです。
後藤(真希)も、『ASAYAN』でオーディションが放映されたときに、某有力レコード会社のプロデューサーが「あれは合格させないでくれ。俺がほしいから落としてくれ」って電話してきたっていう逸話があるくらいなんです。でも、やっぱり、後藤はあの中で、ほかの子に意地悪するかのように真ん中にドーンと放り投げたから、今があるんだと思ってるんですよ。

寺田さん。さっきは松浦が天才だって言ってたのに。。。。